Shopify アカデミーの「Shopify Development Fundamentals」ラーニングパスの「Exploring and Extending Shopify’s Data Model」コースを修了しました。
ShopifyのECサイトを構築・拡張していくうえで欠かせない、データ構造の基本とその応用について学びました。
Shopifyのデータモデルを理解することの重要性
ShopifyでECサイトを構築・拡張する際には、products(商品)・collections(コレクション)・customers(顧客)・orders(注文)といったデータモデル(オブジェクト)の関係性を正しく理解することが非常に重要です。
これらの基本構造を把握しておくことで、開発や運用の効率が格段に向上します。
顧客のEC上でのステージとそれに紐づくデータ
ShopifyのオブジェクトはユーザーがECサイトで商品を見つける・購入・受け取りまでの一連の体験と密接に結びついています。
- 顧客がチャネル上で商品を閲覧する(
products
) - 商品をカートに追加する(
cart
→checkout
) - チェックアウトを開始する(
orders
に変換準備) - 支払いを完了して注文が作成される(
orders
) - 注文がフルフィルメントされる(
fulfillment_orders
)
このプロセスに関わる各データはShopify内の「オブジェクト」として管理され、それぞれが相互に接続されています。
Shopify内の主要オブジェクトとそれぞれの持つ役割・関連リソース一覧
オブジェクト | 説明 | 関連リソース |
---|---|---|
Products | オンラインストアで販売する個々の商品 | Collections, Locations |
Collections | 商品をグループ化して管理・表示しやすくする | Products |
Customers | 購入者やアカウント作成者の情報を管理 | Orders, Gift cards, Companies |
Companies | B2Bでの取引先法人を表現 | Customers |
Locations | 在庫管理や出荷元となる物理的拠点 | Products |
Orders | 顧客からの注文・支払い内容を管理 | Products, Locations, Customers, etc. |
Discounts | 商品やコレクションに適用されるプロモーション | Products |
Markets | 地域や顧客グループごとの販売市場 | – |
Fulfillment orders | 注文の一部を出荷準備するタスク | Orders |
Fulfillment services | 外部物流パートナーの出荷サービス | Products |
Gift cards | ストアクレジットとして発行・利用されるギフトカード | Customers |
Selling plans | サブスクリプションや予約販売の設定 | Products |
特にB2B向けのShopify Plusなどでは、次のような追加のLiquidオブジェクトも用意されています:
customer.b2b?
customer.company_available_locations
customer.current_company
customer.current_location
これらは企業顧客の情報や利用可能なロケーションを取得する際に使われます。

カスタムデータを拡張するメタフィールド
Shopifyでは標準の項目に加え、独自の情報を追加できるメタフィールド (Metafields)が用意されています。
以下のような用途に活用可能です:
- 商品に「ブランドカラー」や「素材情報」を追加
- 顧客ごとに「購入頻度」や「メモ」などを記録
- ブログやページに固有の情報を加える
利用可能なフィールドの種類には、テキスト・真偽値・ファイル・URL・色・測定値・リファレンス・JSONなどがあり用途に応じて使い分けることができます。
メタオブジェクトとは?
メタオブジェクト (Metaobject)は、Shopifyのデータ構造を新しく定義できる仕組みです。
複数のフィールドを持つカスタム構造体で、例えば「製品保証」「モデル情報」「キャンペーン」など独自モデルを構築できます。つまりある程度構造を持った情報を一元管理するのに適しています。
また、Shopifyのプランによってメタオブジェクト定義の上限が異なるので注意が必要です:
プラン | 上限 |
---|---|
Basic / Shopify / Advanced | 64 |
Plus / Enterprise | 128 |
実装例:モデル着用情報を商品詳細に表示する
今回のコースの学びを活かして、実際に開発環境のストアでモデル着用情報を表示する機能を実装しました。
カスタムメタフィールドとメタオブジェクトを活用し、モデルさんの着用サイズやプロフィール情報を商品詳細ページに表示するカスタマイズです。
まとめ
このコースを通じてShopifyで扱われるデータモデルの基礎と、その拡張方法であるカスタムメタフィールドとメタオブジェクトの理解が深まりました。
カスタムメタフィールドとカスタムメタオブジェクトは、「管理画面でできないこと」を補い、ストアをより強力にパーソナライズできる武器になるためテーマ開発やアプリ連携を行ううえでも、これらの概念は避けて通れない重要なポイントと実感しました。