Shopify アカデミーの「Shopify Development Fundamentals」ラーニングパスの最終コースであるShopify開発者のための基本ツールについて学ぶ「Expanding Your Developer Toolkit」コースを修了しました。
Shopify開発者にとって「どんなツールを使いこなせるか」は、提案できる価値やスピードを大きく左右します。このコースでは、Shopifyが公式に提供する強力なツール群を体系的に学びましたのでそれぞれのツールや機能をご紹介します。
Shopifyが公式に提供する強力なツール群
App Bridge
App BridgeとはShopifyアプリを「管理画面の中」に直接組み込めるライブラリです。
たとえば、受注管理画面の中にカスタムアプリを表示したり、POSで使えるツールを作ったりできます。
- Shopify管理画面・POSに統合可能
- ユーザー体験が一貫
- JavaScriptで実装可能

Shopify Flow
Shopify Flowは「業務の自動化」をノーコードで実現できるワークフロー自動化ツールです。
- 新商品の在庫が切れたらSlackに通知
- 注文キャンセル時に担当者にメール
- 特定の条件でタグ付けや割引
などのオートメーション設定をコードを書かずに設定ができるので非エンジニアの方でも簡単に操作できます。
Polaris(デザインシステム)
Shopifyらしい見た目や動きを再現するためのUI設計ルールです。Reactコンポーネントとして提供されていてデザイナーと開発者の共通言語になります。
- アクセシビリティに配慮されたコンポーネント
- デザインの一貫性を保てる
- React開発者におすすめ
Checkoutカスタマイズの進化:Scripts から Functionsへ
Shopifyのチェックアウトカスタマイズは、従来の「Scripts」から、より柔軟で保守性の高い「Functions」へと移行が進んでいます。
以下の表で両者の違いと役割を比較します。
名称 | 状態 | できること |
---|---|---|
Scripts | 2025年8月でサポート終了予定 | Shopify Plusでのカスタムチェックアウト |
Functions | 今後の標準 | バックエンドロジックの拡張(割引・送料計算など) |
ShopifyQL(Shopify専用クエリ言語)
ShopifyQLを使ってShopifyデータに対して集計・分析ができます。

Web Pixels
マーケティングタグの進化版です。従来の「タグマネージャー」より安全で軽量な、Shopify公式の計測手段です。
- サンドボックス化によりセキュア
- Shopifyのデータ連携と相性◎
- UTM計測やクリックイベントも対応

HydrogenとOxygen(ヘッドレス開発)について
HydrogenはShopifyが提供しているReactベースの高速表示を実現するフロントエンド開発環境です。
そして、OxygenはそのHydrogenで構築したストアをホストするShopify公式のクラウド基盤です。
- SPAに近い表現力豊かなUI
- 高速表示・キャッシュ制御
- 開発者にとって柔軟性◎
Shopifyが支える3つのビジネスモデルとShopify開発者の役割
Shopifyは、D2C・B2B・Retail(小売)といった多様なビジネスモデルに対応する柔軟なプラットフォームです。
それぞれのモデルが直面する課題や特徴、そして開発者が果たすべき役割について以下に整理しました。
D2C(Direct to Consumer)
Shopifyが最も得意とするのがD2Cモデルです。ブランドが自ら顧客と直接つながることで、利益率の向上やブランドコントロールが可能になります。以下はその主な特徴です。
特徴 | 内容 |
---|---|
利益率が高い | 中間業者を介さないことでコストを削減 |
ブランド体験のコントロール | デザイン・UX・購入後体験まで設計できる |
顧客データの蓄積 | CRMやパーソナライズに活用可能 |
D2C ShopifyストアへのShopify開発者の支援領域
Shopify開発者としては、以下のような領域でD2Cブランドの成長を支援できます:
- Checkoutの最適化
- UXや商品ページの強化
- 分割支払いなどの導入
B2B(Business to Business)
企業間取引を前提としたB2Bモデルでは、発注量や決済条件、カスタマイズ性など、多くの点でD2Cと大きく異なります。以下に主な特徴をまとめました。
特徴 | 内容 |
---|---|
発注量が多い | まとまった仕入れが前提 |
特別価格 | 顧客グループごとに価格を変える |
支払い方法が多様 | 請求書払い、定期支払いなどにも対応 |
システム連携が必要 | ERPや在庫管理システムとの連携 |
B2B ShopifyストアへのShopify開発者の支援領域
Shopify開発者は、B2Bに特有の業務フローや条件に合わせた柔軟なカスタマイズを担います:
- バイヤーポータルの設計
- 支払いロジックの構築
- B2Bアプリの開発
Retail(小売)
実店舗とオンラインストアを組み合わせた販売モデルでは、在庫管理やスタッフ対応など現場運用に特有の工夫が必要です。Shopifyはこうしたニーズにも柔軟に対応できます。
特徴 | 内容 |
---|---|
店舗での接客が発生 | POSと連携が必要 |
在庫管理が複雑 | 店舗ごとの在庫を把握する必要 |
スタッフ管理が必要 | ロール別アクセスなど |
Retail ShopifyストアへのShopify開発者の支援領域
店舗運営においては、現場でのスムーズなオペレーションを開発で支えることが求められます:
- POSアプリのカスタマイズ
- 小売業向けアプリ連携
- 現場での決済体験の最適化
まとめ
このコースを通じてShopifyがどれほど開発者フレンドリーな環境を整えているかを再認識しました。
コードが書ける人だけでなくマーケターや経営者とも共通言語で話せる設計がされていることが印象的でした。